この写真をどう思いますか!

皆さん、この絵をご覧ください。
きっと、ほとんどの人は、「モナ・リザ」に似ているけれども「モナ・リザ」ではないと答えると思います。

そうです、皆さんが知っている「モナ・リザ」はルーブル美術館にあって、イメージが全然違います。

ルーブル美術館には毎年850万人もの人がこの肖像画 を見に集まるといわれている世界で一番有名な絵です。だから一目でその違いが判る程「モナ・リザ」の イメージが周知されてしまったのでしょう。

なにしろ「モナ・リザ」は小学生でも知っているのですから驚きです。
作者はもちろん、レオナルド・ダ・ヴィンチ、イタリ アルネッサンスの巨匠です。
では、この「モナ・リザ」に似た肖像画はいったい何でしょうか。

実は「モナ・リザ」が描かれて500年間に多くの模写 が作られた内の一枚なのです。

この肖像画は現在スペインのプラド美術館にあって美術誌や画集には、模写の中でも美しい一枚と紹介されています。 智さんがご承知のように模写というのは、原画があって、その絵をコピーするのです。

ルネッサンス期では、工房に親方がいて、弟子たちに描かせて、その絵に親方が手を加えて仕上げるという方法がとられました。だから同一画題の複数の作品が 残っています。レプリカと言います。(広義ではコピー)

ココで私が不審に思ったのは、《ブラドのモナ・リザ》は本当に模写なのかという疑問でした。ルーブルの「モナ・リザ」と比較してみてください。随分と違いがあるのです。

「モナ・リザ」には多くの謎があるのをご存知ですね。

肖像画のモデルも2008年1月にその証拠のメモが発見されて、ようやく絹商人フランチェスコ・デル・ ジョコンド夫人であることが証明されました。

1900年代には著名な美術史家や学者が図書館が一杯 になる程論議された結果でした。
しかし、それで「モナ・リザ」の正体と謎が解決してはいません。

・「モナ・リザ」には、ナゼ、眉がないのか?
・「モナ・リザ」は黒衣を着ているのか?
・「モナ・リザ」には、ナゼ、アクセサリーが付けてないのか?
・「モナ・リザ」は左右切られていた。
・「モナ・リザ」は依頼主に渡されなかった。
・「モナ・リザ」のモデルは誰か。

「モナ・リザ」のモデルが、ジョコンド夫人であることで、これ等の謎が全部解明されたかというと、絵の左右切断された事項以外は、何も解決していません。

「モナ・リザ」のモデルはジョコンド夫人であったとする証拠が発見されたのにもかかわらず、この論文では、異論をとなえています。なぜか?

そこで、これらの謎を解くカギとして《プラドのモナ・リザ》のデジタル画像を分析し綿密に精査しました。

すると驚くべき画像が浮かび上がってきました。本論文の1部、2部で発表しています。
この論文のキーワードは『論より証拠』『百聞は一見にしかず』論拠になった文章を読者ご自身で確かめてください。

「モナ・リザ」500年の美術史上初の論究です。
プラド美術館では、《プラドのモナリザ》のX 線等の科学的調査はしていません。ぜひ実行していただきたいものです。
「モナ・リザ」500年の謎が一挙に解き明かされる!
それは《プラドのモナ・リザ》がカギをにぎっているのです。

自信を持って発表いたします。

論文

論文の一部を紹介します

はじめに
 「モナ・リザ」といえば日本では小学生でも知っている世界で一番有名な絵である。
 1974年には「モナ・リザ」は文化使節として日本にやって来た。会場には、長蛇の列が並ぶ中に私の姿は写っていないが、その光景の写真や映像が残っている。

 ルーブル美術館には、年間800万人以上の来館者があり、その多くは、「モナ・リザ」を一目見ようと集まっている。「モナ・リザ」誕生500年となり、レオ ナルド・ダ・ヴィンチの一枚の絵に関する研究は図書館が埋め尽くされるほど論じられて来たという。

 私が最初に告白しておきたいのは、東京展以来「モナ・リザ」の原画を見ていないのである。そんな人間が「モナ・リザ」の謎を解明することが出来るのか疑問に思われるだろう。幸い現代科学の進歩は印刷術の 高度化とデジタル画像など手軽に原画の実物に近い画像を得る事が可能である。遠く離れた場所から居ながらにして名画を鑑賞出来るのである。

 私は、それを元に「モナ・リザ」の模写を試みた。
その事によって数々の新しい発見があり、一方で「モナ・リザ」の謎はますます深まった。

 1911年、歴史的有名な「モナ・リザ」盗難事件が 発生し、発見されるまで2年の間、世界中の話題になった。

 そもそも「モナ・リザ」は、ルーブル美術館での展示は、壁画を飾る大きな絵の下を埋める小作品の列を飾るため、ヴェルサイユ宮殿から移動されたものだという。盗難事件の犯人も、手頃な大きさで持ち出し易かったからだと言っていた。

 このように、この盗難事件がきっかけとなり「モナ・リザ」ブームが起こり、絵のモデルの問題にまで発展したのである。

 その後、今日まで「モナ・リザ」のモデルは誰か世界の著名な美術史家、研究学者の諸説が論争された。

 2008年1月、ドイツのハイデルベルク大学で「モ ナ・リザ」のモデルは、フィレンツェの絹商人の妻、 リーザ・ゲラルディーニであるメモが発見された。

 1550年、ジョルジュ・ヴァザーリの「美術家列伝」 に記述されていた「モナ・リザ」のモデルの信憑性が 確かめられたのである。

―とはいっても、このモデル の証拠だけでは、多くの謎が解明できたとは思えない。

・なぜ、「モナ・リザ」には、眉やまつ毛がないのか?

・なぜ、「モナ・リザ」は、黒衣を着ているのか?

・なぜ、「モナ・リザ」は、何も宝飾品を身に着けていないのか?

・なぜ、「モナ・リザ」は、依頼主に渡されなかったのか?

 これらの謎は何ひとつ解明されていないのである。 本書では、これらの謎を解く資料として、「モナ・ リザ」の模写の中では一番美しいといわれる《プラドのモナ・リザ》のデジタル画像を分析して《モナ・リザの真実》に迫りたいと思う。
 このデジタル画像は、劣化した「モナ・リザ」の制作プロセスを鮮明に描き出しており、今なお解明され ていない謎を紐解く重要な手掛かりになるだろう。

 ひいてはルネッサンス芸術の偉人レオナルド・ダ・ ヴィンチの生涯の(ジグソーパズルに例えれば)欠落した部分の空白に、真実の1ピースをはめ込むことが出来たと確信する。

 (幸い、横浜産業貿易センターのご協力により、 メールでプラド美術館との交信が密に伝わり《プラド のモナ・リザ》の鮮明な姿を解読出来た事は、幸運であった。)

プラド美術館では、2008年1月の時点では《プラドのモナ・リザ》のX線等の科学的調査はしていないという。将来、《ルーブルのモナ・リザ》のような科学的調査(2006年出版 『Mona Lisa Inside the Painting』)があれば、新しい発見が見られるのではないか、また、多くの謎の解明にも役立つのではないだろうか。

 21世紀の「モナ・リザ」の話が明らかになるのか、ますます謎が深まるのか興味が尽きない。

モナ・リザ=ラ・ジョコンダ

歴史上最も有名な肖像画。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」。
500年の絵画史において、
この絵ほど謎を秘めて論議を呼んだ絵画はない。
永遠の微笑みと共に・・・。

レオナルド・ダ・ヴィンチ
1503~1506年
77cm×53cm 「油彩」ポプラ板
ルーブル美術館 パリ・フランス

プラドのモナ・リザ

「モナ・リザ」の模写としては、
最も美しいといわれる。
単なる模写というだけでなく、オリジナルな創意もあり、
ルーブルの「モナ・リザ」の解明に 重要な役割を果たす、 この書の 《モナ・リザ=ラ・ジョコンダ2枚の本物》の主役である。

作者不詳 スペイン派 アンドレア・ソラリオ?
16世紀初頭 1513~1516年?
76cm×57cm 「油彩」 ポプラ板
プラド美術館 スペイン・マドリッド


モナ・リザ=ラ・ジョコンダ 2枚の 本物(ほんもの)
Mona Lisa et la Gioconda
La Mona Lisa et La Gioconda
Las dos orginales
Mona Lisa or La Gioconda
Two original paintings

2010年3月 Asahi Yamagata.

本論文に対する感想、「モナ・リザ」のもつ魅力と謎の自論、見解をお寄せください。

《プラドのモナ・リザ》研究会

レオ・ヤマガタ経歴

レオ・ヤマガタ 1934年 東京日本橋生。

戦後、横須賀市に移住。県立横須賀高校卒業、同期に島田章三氏。

1957年 武蔵野美大 佐藤敬之輔氏助手。浅葉克己氏と共に日本字研究。

武蔵野美術大ロゴ作成。

桑沢デザイン研究所レタリング講師代行。

1961年 同校卒業と共にフリーランスデザイナーとして電通、高島屋等の嘱託。

代々木東京オリンピック岸記念館ホール緞帳デザイン作成。

以後、商業デザイナーとして自営。

その間、パルコJPC展出品 パルコ賞、キヤノン賞、朝日広告表現技術賞受賞、

アフリカ大使館主催ポスター入選、他多数。

ライフワークとして「モナ・リザの謎」研究、

独自の論文(モナ・リザ=ラ・ジョコンダ 2枚の本物)作成、2010年Webで発表、現在改稿中。

現在「歴史上100人の巨匠が描くモナ・リザ」を制作中。

現在に至る。

2017年2月18日(土)~4月16日(日)

東京ステーションギャラリーにて、

榎本了壱氏推薦「パロディ、二重の声 ―日本の1970年代前後左右」特別出品。

2017年2月18日 図録「パロディ、二重の声」特別出品として掲載。

2017年3月19日 「日曜美術館 アートシーン」(NHK Eテレ)で紹介。

東京人2017年3月号(都市出版)、芸術新潮2017年4月号(新潮社)で掲載。

企画展「パロディ、二重の声」回顧

2017年2月18日から4月16日まで、レオ・ヤマガタ作品が企画展「パロディ、二重の声 ―日本の1970年代前後左右」に特別出品されました。

会場となる東京ステーションギャラリーは、重要文化財に指定されている東京駅丸の内口駅舎内にあります。

そのギャラリー展示冒頭を飾る一部屋すべてをレオ・ヤマガタ作品が埋め尽くしました。

また企画展の様子はWebやTV、雑誌など多くのメディアにも取り上げられ、多くの方々にレオ・ヤマガタ作品を知っていただくことができました。

芸術新潮2017年4月号

東京人2017年3月号

2017年3月19日放送「日曜美術館 アートシーン」(NHK Eテレ)